物流業界の法人営業をしてみたいけど、どういう業務内容なの?
物流業界の将来性ってあるの?業界全体はブラックって聞くけど本当なの?
これから就活や転職で物流業界を受けてみようといった方に向けて、
物流業界の法人営業ってなにするの?
物流業界はブラックなのか?
業界自体の将来性は?
どういう人材が向いているのか?
まとめ
について私が働いた経験(物流業界の法人営業で4年間働いてました)をもとに解説していければと思います。
物流業界の法人営業ってなにするの?
会社にもよりますが、私が働いていた会社では以下の順番で仕事を行ってました。
- お客様の要望をヒアリング
- 物量の分析
- 倉庫の手配、配送の手配
- 最適な物流の提案
それぞれについて解説していきます。
お客様の要望をヒアリング
お客様から要望については
「現在何について困っているのか?」
「取り扱っている商品は何なのか?」
についてヒアリングしていきます。この時に商品(種類、大きさ、重量、温度帯)、入荷(入荷頻度、入荷形態)、保管(保管形態、保管温度)、出荷(出荷頻度、出荷形態、納品先の店舗数、納品先住所、納品方法)を確認し、お客様の要望と取り扱う商品の情報を集めていきます。
このヒアリングをするタイミングでどういう提案をするのか方向性を決めていきますが、お客様自身が自社の物流担当者ではない場合もあり、理解していないこともあるのでわからない所は実際に現場を見させてもらい理解を深めていくこともあります。
物量の分析
お客様からヒアリングした情報をもとに物量の分析を行っていきます。
大体お客様から実際の入出荷データを1年分頂き、
「年間の物量の波(どの月に物量が最大になって、どの月が最低になるのか)」
「1週間の中でどの曜日で物量が多く、少ないのか」
「月別、曜日別、日別の平均物量はどうなのか」
さまざまなタイミングの物量を定義していきます。こちらはなぜ行うかと言いますと実際に作業を行う際にどのくらいの工数が発生するのか試算したり、配送するためにどのくらいトラックが必要なのか試算したりし、これらをまとめて見積りを作成しますのでこの物量の試算を間違えてしまうとお客様に余計な費用を請求してしまったり、自社が赤字になってしまったりと様々な問題がこの後に発生するので、かなり重要なパートになります。
もし試算した内容と実際の物量が違った際に、お客様と料金交渉をするのですが、この物量をしっかり定義しておけば、お客様への料金交渉を有利に進められるので、しっかりと行います。(お客様は物流費を安く抑えるために物量を少なく伝えてきたり、そもそも良く分かっていなくて物量データが足りないまま進んでしまったりとトラブルになることが多々あるので、物量の試算をしっかり行います。)
倉庫の手配、配送の手配
物量の試算で定義した物量を元に保管に必要な坪数を算出し、自社ならその坪数分が空いているのか、他社の倉庫を借りる場合は、その坪数が空いている倉庫を探す必要があります。もし他社の倉庫を借りる場合は上で試算した物量をもとに倉庫会社と打合せしていき、見積りを貰います。配送に関してもトラックが何台必要なのか試算し、自社のトラックが空いているのか、空いていないなら他社でトラックを手配する必要があります。この時に納品先数や住所、納品ルールを配送会社と打合せし見積りを貰います。
自社で倉庫やトラックを手配する場合は融通が利くのですが、もし他社で手配した場合に見積りを貰った条件と違うと値上げや契約の解除といった問題が発生しますので、見積り条件はしっかりと確認する必要があります。
最適な物流の提案
物量の試算でまとめた条件をもとに取得した見積りから月間どれくらいの費用が掛かるのか試算し、お客様にどの倉庫でどういった配送ルートで月間いくら掛かるのかお客様へ提案します。ここまでくると今まで集めた情報を組み合わせていくだけなので、上の作業に比べたらそこまで大変ではありませんが、この提案をする際はお客様へどういったメリットが発生するのか説明する必要があります。
お客様は物流費を安くしたい場合が多いので、料金が高くなる場合はなぜ高くなるのか、高くなる代わりに何が良くなるのかを説明できるように資料を作っていきます。
物流業界はブラックなのか?
結構皆さんの認識だとブラックなイメージを持たれている方も多いかと思いますが、
正直申しますと「ブラック」です(笑)
あくまでも私が働いていた会社やお付き合いのあった会社の社員の方を見てきた感想になりますので、もしかしたらめちゃくちゃホワイトな物流会社もあるかもしれないです。
ではなぜ私がブラックだと思っているかと申しますと以下3つが原因だと思うからです。
- 人手不足が深刻な問題になっている
- 何時までに出荷しないといけないなどの納期が短い
- 昭和体質な企業が多く、残業しないと評価されない
人手不足が深刻な問題になっている
結構有名な問題でニュースとかでも取り上げられる機会が増えて来たものかと思います。実際に私が働いていた時も、倉庫作業の募集を掛けてもなかなか応募が無かったりと物流業界のイメージが悪く人が集まりにくい状況になっていました。
もちろんイメージだけでなく、倉庫の立地が良くなく、アクセスが悪いため人が集まりにくかったり、昨今の人口減少に伴う時給の高騰など様々な要因が重なって人手不足が深刻になってきています。
何時までに出荷しないといけないなどの納期が短い
納期に関してはどんどんサービスレベルが上がったことにより、翌日納品や翌々日納品などサービスを上げたことにより、倉庫の稼働時間も伸びていることがあげられます。
こちらに関してはじゃあ納期を長くすればいいじゃんって思われるかもしれませんが、荷主に相談したとしても荷主からしたらサービスが落ちて料金は従来のままだとどうしても納得して貰えず、最悪失注になってしまう為、納期を伸ばすことって言うのは難しい問題になっています。
一回上げたサービスレベルというのは落とすことが難しいので、どこの企業も交渉に苦労してた印象です(汗)
昭和体質な企業が多く、残業しないと評価されない
これは私が働いていた企業がまさにそうだったんですが、定時で帰る認識はあったんですが、定時で帰るとあまり良い顔をしない上司が多く、ボーナスの査定は昇進の査定に響くのでみんな上司が帰るまで残業してました。。。
私も最初の上司が全く帰らない人で私が20時くらいに帰ろうとすると仕事を振ってくる鬼畜でいつも「もっと早く言えよ。。。」って思いながら23時まで仕事してました(笑)
最近はだいぶ変わってきてはいますが、上司にそういう考えの人が多くいるので、完全に変わるのにはもう少し時間がいるのかなと思います。
物流業界の将来性は?
ぶっちゃけ「安泰」です!!!!
なぜかといいますと絶対に無くならない仕事だからです!
もちろん会社単位で見たら潰れる会社もあると思うんですが、物流業界として見た時に、絶対に無くならない業界だと断言できます。
じゃあ何で断言できるのかと言いますと「物がある以上、運ぶ手間が発生する」からです。
これは当たり前のことなんですが、皆さんが思っている以上に物っていうのは多くありまして、その数だけ物流があるといっても過言じゃないです。
例えばコンビニで買うおにぎりで物流を考えた際に、まずおにぎりの米は農家さんからおにぎり工場に運ぶ必要がありますし、のりや中身の具材も同様に運ぶ必要があります。おにぎりを包装する資材も運ぶ必要があります。(調達物流という風に言います。)工場ではおにぎりを作りますが、今度は作ったおにぎりを書くコンビニに運ぶ必要があります。運ばれたおにぎりはコンビニに陳列され、賞味期限が過ぎたら廃棄という形でごみ処理場に運ぶ必要が出てきます。
結構簡単に書きましたがさっと言っただけでも必ず物流というのは発生します。
なので物流業界がなくなるということは無いと私は断言できると思っています。
もし技術が進歩して人がイメージしただけで者が目の前に出てくるとかになったら物流業界も無くなるかもしれませんが。。。
どういう人材が向いているのか?
完全に私の独断になりますが、スケジュール管理が得意な人が向いている仕事だと思います。
なぜなら現場の作業は毎日入荷の時間や出荷の時間が決まっており、その時間に合わせてどう動くのか?管理職ならどう人を配置し動かしていくのか?というのを考える必要があり、それを考える為にはスケジュール管理能力が必要だからです。
私が働いていた法人営業の仕事も同じことが言えて、お客様に提案するときもいつまでに提案をしないといけないから、いつまでに物量の試算を終えて、いつまでに見積りを取得しないといけないのか逆算しながらスケジュールを立てる必要があったので、スケジュール管理が得意という方は物流業界に向いていると思います。
まとめ
ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。
結構ネガティブなことを話してしまったのですが、人手不足を解消するために様々な技術者がシステムやロボットを開発しており、物流の仕事を自動化していくという試みを行っております。(実用化にはまだ時間が掛かると思いますが)
今回は物流業界の法人営業と物流倉庫の現場作業にフォーカスを充てて話しましたが、物流会社には他の部署(経理、人事、総務、SE)ももちろんありますし、物流というのは幅広く商品を取り扱っているので扱う商品によっても物流の現場って言うのは変わるので、また機会があれば解説していきたいと思います。
今回の記事はどちらかというと物流入門編みたいな感じで書いたので、気になる方がいればご自身で調べても良いですし私宛にコメントを送って頂いても大丈夫です。
私で答えられる範囲で回答させて頂きます。
それではまた次回!
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