
「情報セキュリティの攻撃手法ってどんなもの?」「初心者が理解するには難しい内容なのかな?」
そう思う方もいるかもしれません。
攻撃手法の基本を押さえるだけで、初心者でも重要なポイントを理解し、適切な対策を講じることができます。
この記事では、情報セキュリティ攻撃手法の基礎知識と、具体的な対策を5つに分けてわかりやすく解説します。
本記事のテーマ
【情報セキュリティ攻撃手法】初心者が知るべき基本と対策5選
代表的な情報セキュリティ攻撃手法5選
- フィッシング詐欺
- マルウェア攻撃
- ランサムウェア
- DDoS攻撃
- ゼロデイ攻撃

1. フィッシング詐欺
フィッシング詐欺の仕組み
フィッシング詐欺は、信頼できる企業や個人を装って、偽のウェブサイトやメールを使用し、個人情報や金融情報を盗む攻撃手法です。攻撃者は、被害者が本物だと信じて行動する心理を利用します。
典型的なフィッシングの流れは次のような形です。
- 偽装メールやSNSメッセージの送信
- メール内リンクをクリックすると偽のログインページが表示
- 被害者がログイン情報やクレジットカード情報を入力
- 攻撃者が情報を収集し悪用
近年では、メール以外にも、SMS(スミッシング)や電話(ボイシング)を使った手法が増えています。
被害を防ぐポイント
フィッシング詐欺から身を守るためには、次の対策が効果的です。
- 送信者を確認
不審なメールアドレスや名前の間違いを見つける。 - リンクを慎重に扱う
メール内リンクをクリックする前にURLを確認する。信頼できる公式サイトに直接アクセスする方が安全です。 - セキュリティソフトの導入
フィッシング攻撃を検出する機能があるソフトを使用。 - 多要素認証(MFA)の利用
ログイン時に追加認証を求める設定を有効にする。 - 教育と意識向上
従業員や家族へのフィッシング手法に関する定期的な教育を行う。
2. マルウェア攻撃
マルウェアの種類と特徴
マルウェア(悪意のあるソフトウェア)は、システムやデータを破壊したり、不正アクセスを行ったりするために設計されたプログラムの総称です。以下は、代表的なマルウェアの種類とその特徴です。
- ウイルス
プログラムやファイルに感染し、拡散してシステムを破壊。 - トロイの木馬
無害に見えるソフトウェアに潜んでシステムに侵入し、不正な操作を実行。 - スパイウェア
ユーザーの行動や情報を監視し、盗み出す。 - アドウェア
不要な広告を表示して収益を上げることを目的とする。 - ランサムウェア
データを暗号化し、解除のために身代金を要求する。
一般的な感染経路
マルウェアがシステムに侵入する方法にはさまざまなものがあります。主な感染経路は以下の通りです。
- メールの添付ファイル
偽装メールに添付された悪意のあるファイルを開くことで感染。 - 不審なリンク
クリックすると自動的にダウンロードやインストールが行われる。 - 外部デバイス
USBメモリや外付けハードドライブなどを介して感染が広がる。 - 脆弱性の悪用
古いソフトウェアや未更新のシステムのセキュリティホールを狙った攻撃。 - ダウンロードサイト
偽のアプリやフリーソフトを通じてマルウェアを拡散する。

3. ランサムウェア
ランサムウェアの仕組み
ランサムウェアは、被害者のデータを暗号化し、アクセスを制限したうえで、データの復旧や解除を条件に身代金(ランサム)を要求する攻撃手法です。その仕組みは以下のように進行します。
- 感染
メールの添付ファイル、悪意のあるリンク、またはシステムの脆弱性を通じて侵入。 - 暗号化
被害者のデータやファイルを暗号化してアクセスを不能にする。 - 要求
デスクトップ画面やテキストファイルで、復号化のための身代金を要求。 - 支払い
暗号通貨(主にビットコイン)での支払いを指示されることが一般的。
一度感染すると、重要なデータがアクセスできなくなるため、企業や個人にとって甚大な被害をもたらします。
攻撃の影響と対応方法
ランサムウェアの被害を軽減し、攻撃への対応を行うためのポイントは以下の通りです。
- 影響
・業務の停止や顧客データの喪失による信頼性の低下
・高額な身代金の支払いを強いられる場合がある
・復旧作業に多大な時間とコストが必要 - 対応方法
・データバックアップ:定期的に重要データのバックアップを取り、オフラインで保管。
・感染拡大防止:感染が判明したらネットワークから隔離して被害拡大を防ぐ。
・専門家への相談:サイバーセキュリティ専門家や法執行機関に連絡し、適切な対応を求める。
・身代金の支払いを避ける:支払ってもデータが完全に復旧される保証はなく、攻撃者を助長する可能性があるため推奨されません。
4. DDoS攻撃
DDoS攻撃の仕組みと目的
DDoS(分散型サービス拒否)攻撃は、複数の感染デバイスを利用して標的のサーバーやネットワークに大量のリクエストを送り、サービスを一時的または恒久的にダウンさせる攻撃手法です。
- 仕組み
・攻撃者はボットネットと呼ばれる感染デバイスのネットワークを構築。
・一斉に大量のリクエストを標的に送信し、システムの容量を超過させる。
・結果として、正規のユーザーがサービスにアクセスできなくなる。 - 目的
・標的企業の業務停止や評判の低下。
・金銭的要求(たとえば、攻撃を停止するための支払い)。
・政治的な抗議活動や競合他社への妨害。
予防策と対応方法
DDoS攻撃に備えるための予防策と、攻撃を受けた場合の対応方法は次の通りです。
- 予防策
・トラフィックモニタリング:異常なトラフィックパターンを早期に検出するシステムを導入。
・CDNやロードバランサーの活用:トラフィックを分散させることでシステムの負荷を軽減。
・DDoS対策ツールの利用:クラウドベースのDDoS保護サービスを導入。 - 対応方法
・緊急連絡網の確保:インターネットプロバイダやセキュリティ専門家と連携。
・トラフィックフィルタリング:不要なトラフィックをフィルタリングし、システムへの負荷を軽減。
・サービス復旧計画の実行:事前に策定したBCP(事業継続計画)に従い迅速に対応。
5. ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃の定義と事例
ゼロデイ攻撃とは、ソフトウェアやハードウェアのセキュリティホール(脆弱性)が公開される前に、その脆弱性を悪用して行われる攻撃を指します。開発者側がまだ修正パッチを提供していない「ゼロデイ(公開から0日)」の状態を狙うため、非常に危険です。
- 定義
・開発者やセキュリティ研究者が脆弱性を認識する前、あるいは認識直後に行われる攻撃。
・パッチが未提供であるため、被害を受けやすい。 - 事例
・2017年のWannaCry攻撃:Microsoftの脆弱性を悪用し、世界中の企業や政府機関に影響を及ぼしたランサムウェア攻撃。
・2021年のExchange Server脆弱性攻撃:マイクロソフトのメールサーバーにおけるゼロデイ脆弱性を突いた大規模なサイバー攻撃。
ゼロデイ攻撃の対策
ゼロデイ攻撃を完全に防ぐことは困難ですが、リスクを最小化するための対策を講じることが重要です。
- ソフトウェアの迅速な更新
・セキュリティパッチが公開されたら、すぐに適用する習慣をつける。
・自動更新を有効にすることで、更新漏れを防ぐ。 - 侵入検知システム(IDS)と侵入防止システム(IPS)の導入
・ネットワーク内の異常な挙動を検出し、攻撃を未然に防止する。 - セキュリティ意識の向上
・従業員に対して、ゼロデイ攻撃のリスクや兆候について教育を行う。 - サイバー脅威インテリジェンスの活用
・最新の脅威情報を収集し、適切な防御策を講じる。
さいごに
ここまで読んで下さり誠にありがとうございます!
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